ちょっと肌寒さを感じる時期になると、もう一度行ってみたい場所がある…
もう3年ほど前になるが、ウランバートル(モンゴルの首都)で狼狩りをした事がある。
あの非日常的体験は、インパクトのある体験の一つだ。
日本のODA事業でウランバートル駅前から数キロに渡り産業道路が新設され
その信号設備と照明設備を当社で手がけさせてもらった。
11月の初旬にその開通式に訪問したが、外気は-10℃〜-20℃だった。
九州人としては、考えられない寒さで…
タオルを濡らして回すと棒状に凍りつくのは本当だった。。
ウランバートル駅近くにその時設置された「太陽の道」という記念碑がある。
その開通式で馬頭琴の生演奏を聞かせてもらった
その低音の弦の響きが重く心に響き、感慨深い体験だった。
モンゴルは、市内よりやはり郊外の原野を堪能するのが良い。
どこまでも、どこまでも広がる原野と空の透き通った青と
その痛いほどの冷たい大気と静寂は、日本では味わう事は出来ない。
また、夜空の満天の星と鮮明に見える月明かりは、まず日本では見ることは出来ない。
その月明かりの明るさは、本が読めるほどだった。。
きっと昔は、日本もそうだったのだろう…
一言で言って感動ものだった…
現地の施工を行った社長さんと昼食をした際、
「今から狼狩りをしに行くから一緒に来い」と言われ
「え?狼狩り?狼…?」
いま一つ理解してない状態で彼らが用意していた
トヨタのラウンドクルーザーの新車2台に便乗してしまい
それから狩猟民族と農耕民族の違いを思い知らされる事になった。。
彼らは、大型のラウンドクルーザーをまるで馬のように扱い
まさに狩をやるわけで…
原野をそれこそテレビで見たパリダカールレースのように走りまくるのである。
すごかったとしか言いようがなかった。こんな事ツアーでは体験できないだろう…
モンゴルで初めてラウンドクルーザーの使い方の極致を知る事が出来た。
明らかに崖のような絶対降りないような斜面を何の躊躇も無く降りていくのである…
ジェットコースターなみだった。。。
途中で丘に登り猟銃を持ち出し、マトを置いて銃の練習をやりだした…
「お前も撃ってみろ!」
え?そんな事してもいいのか?俺は銃なんか持ったこともないし…
しかし、ここで引けば男がすたる!
撃ってみた。。4発も…(上の写真)
当然、当たらなかった。。。
銃の重みと撃ったあとの衝撃は、
これが当たったら間違いなく死人が出る。。だった。
結果的に狼を見つけることは出来なかったが、
彼らの狼を追う感覚はまさに狩猟であり、諦める事を知らず、夜遅くまで続けられた。
多分我々がいなかったら朝方まで続けたのではないかと思う…
初めて自分がどうしようもなく農耕民族なんだと知らされたようだった。。
ワイルドの極致だった…
アジアの北端に我社のLED 灯器とポールが設置された事は感慨深いものがある。
しかし…アジアは広い…・・
季節の問題と寒さの関係もあるのだが、
ウランバートル市の印象は南側から比べると陰である。
また、物質的に貧困感が有り街中を歩くとマンホールチルドレンと呼ばれる家無き子が物乞いをしている姿が有る。
この寒さの中マンホールの中で一夜を過ごすという…
これはソビエト社会主義の崩壊から自由主義経済に移行された中で生じた
社会の歪であると言える。
いつの時代もどの国でも、しわ寄せは弱いところに行く…
二人の女性通訳にお世話になったが、
二人とも以前の社会主義時代の方が幸せだったと言っていた…
政治による汚職や自由主義による貧富の差が大きくなっているのだろうと感じる。
モンゴルは、いろんな意味でまた行ってみたい場所の一つとなった。
もし、行く機会のある方があれば
ウランバートルの駅前でじっくり信号灯を見て欲しい。。