今回、またプライベートな話で恐縮ですが。。
先週末、唐突にも経営メンバーだけに
「ちょっと明日から富士登山してくる。」とメールを送って
金・土・日の二泊三日で
日本一の山に単独で初登頂してきた。。
実は、年の初めに「今年は、富士山に登りたい。」という話を
家族に話しをしていて。。
何か自分の中で今年の目標の一つにおいていた。
世界遺産にもなった日本一の山
富士山にまだ一度も登った事がなかったので
60歳を過ぎ、まだ体力があるうちに
私としては、どんなものなのか一度登っておきたかった。
山登りは好きな方で
若い頃は、直登ルートの岩登りなどを好んでいたが
結婚して仕事中心の生活になってからは
家族向けの九州の穏やかな山ばかりとなり
体は鈍るばかりで。。
一般への富士山の山開きは7月初めからで
9月10日が閉山日となっている。。
何かと今年も多忙で、もう八月末になり、、
やはり、今年は無理かな。。と、何か鬱々とした気分でいたところ
「気分転換に仕事も家のことも置いて、行ってきたら?」
の妻の一言にちょっと吹っ切れて。。
日頃、目標とか計画ありきで動いている自分の日常に
詳細な計画などはせず
「行って、その場で考え、判断する」ことを
あえてやってみようと。。
8/31の昼に富士登山の四ルートから
一番最短の「富士宮口」ルートに決めて山小屋を予約した。
それから、夕刻に家に帰って
「行くことにしたから。。」と妻に伝えて
ドタバタと山支度をして
翌早朝9/1(金)に
新大牟田駅から新幹線に飛び乗り新富士駅に向かった。
登山バスが富士宮口五合目2,380mについたのは、17:40だった。
それから30分ほど登って
六合目の宝永山荘という山小屋に着き
夕食のカレーと生ビールを楽しみ
明日の富士登山に想いを馳せた。
富士宮口ルートは、五合目からの登り約5時間
下り約3時間の約8時間コースらしかった。
まあ、ゆっくり登ればなんとかなるだろうと
体力不足で自信なさげの自分に言い聞かせた。。
外は、台風15号の影響で雨が降り気温は下がっていたが
外国人の軽装で無謀と思える登山客が多く
山小屋のおかみさんも
「お金無いからか弾丸登山なのよ、、危ないわ。。」と嘆いていた。
それに、、
「七合目までの中頃に年配の男性が血を流して倒れてます!」と
山小屋に駆け込む下山して来た女性登山者やら
急遽レスキュー隊に連絡したりで
いろんなハプニングに山小屋も対応が大変のようだった。。
やはり、3000m級の山を舐めたらいかん。。
外の風雨が嘘のように
山小屋の雑魚寝布団は思いの外、暖かく。。
その夜は、意外にスヤスヤと寝ることができた。
翌日9/2(土)、朝(7:05発)六合目2,490mを出発し登り始める。
天候は、小雨交じり。。
新七合目2,780m(7:30着)、
最初の登りは体が慣れていないのでしんどかった。。
山小屋のおかみさんに作ってもらった弁当を半分頬張る。
天候は、曇りでガスってる。。
元祖七合目3,010m(8:00着)、えっ?七合目が二つある、、と思った。
雲から抜け出たようで青空が見える。
八合目3,250m(9:10着)、雲が眼下にはっきり見え始めた。
九合目3,460m(10:05着)、空気が薄いせいか体全体が重く休み休み進む。
九号目五勺3,590m(11:15着)、えっ?また九合目、、メチャメチャしんどい。
山小屋でお汁粉を啜る。生き返る。。
富士宮口山頂3,710m(12:10着)、やった!62歳の単独富士山登頂。
天候は快晴。
山頂には結構人がいて、
富士山頂浅間大社奥宮という神社があった。
頂上の山小屋は、シャッターが降りて完全防備な感じ。。
残りのおにぎり弁当を頬張る。
初めて富士火口の外輪を見る。
酒を飲み交わす人、寝転んで日光浴する人、色々いる。。
残念だが、雲が多くて下界が見えないが、
眼下に広がる雲海は、これまでに見たこともない景色で
素晴らしかった。
浅間大社奥宮に参拝し
13:00ごろ山頂から下山する。
いやいや、運動不足の体には、
下山の約3時間、足腰が悲鳴をあげて
これがまた、辛いものだったが。。
16:09に元の六合目の山小屋になんとか下山する。
宝永山荘のおかみさんに
「お疲れさん、無事で良かった」と言ってもらった。
けれど、足腰はもう限界気味だった。。
その日の宿は、下山して富士宮市にある
「花の湯」温泉旅館に宿泊し、ゆっくり湯船に浸かって
一日酷使した疲れと冷えた体を癒した。
富士登山は甘くなかったが、
ふっと、思い立って来た割には色んな体感ができたし
無事に下山できてホッとしている自分を少し褒めた。
登って見て思うことは
見上げると到底無理だと思える山も
コツコツと一歩づつ牛歩のような足取りでも
確実に歩を進めることで目的は達成されるという確信だったし
雲の上に抜ければ必ずそこには
青空が広がっているということだった。
そして、何よりも重要なことは、出発することだった。
やはり、来て良かったと思った。
翌日9/3(日)は、朝起きてゴチゴチに凝った体を
朝風呂に浸かって揉みほぐし、帰り支度をして。。
「花の湯」温泉からのんびり足慣らしに
近くにあった浅間大社まで歩いた。
浅間大社を参拝しすぐ横にある「湧玉池」という
富士山の湧き水の池があるところで顔と手を洗った。
富士の湧き水は、冷たくてとても気持ちがよく
今日は、この為に来たのだなと何か必然さを感じた。
残念ながら台風15号の影響で富士の姿は
最後まで見れなかったが
この間、豪雨に合わなかったことは幸いだった。
新富士駅を10:40頃に出発し
無事に新大牟田駅に着いたのは16:30頃だった。
駅に向かえに来ていた妻に
「おかげで富士山に登れた。ありがとう。」と伝えたら
「良かった、いい顔してるよ。」と言ってくれた。
さて、9月となった、もう秋になる。。